耕作ときどきキャンプ

オートキャンプ場は，ファミリーで利用される人が多いと思います。
ファミリー利用のキャンパーの中には，キャンプ場全体を自分たちが遊べるスペースだと勘違いされている人たちがおられますね。
今日は，そんな人に向けての記事です。


ここに，おやじ～ずのロゴを使うと，変に誤解されると困るので，止めておきますね。

ファミリーキャンパーのH氏は，今日は区画サイト中心の高規格キャンプ場へやってきました。
そこは，キャンプ場の理念もしっかりしていて，従業員の教育も行き届いていて，大変すごしやすいキャンプ場です。

早速，タープとテントを設営し，コーヒーを飲んでいるようですよ。

ちょっと，お邪魔しちゃいましょうか？

夫：「ここは，いつ来てもすごしやすいキャンプ場だねえ」
妻：「本当ねえ　こうやって，あなたと向き合ってると新婚時代を思い出すわ～」

夫：「どうしたんだい？　今日は，いつもに増して魅力的だよ」
妻：「あなたが，てきぱきと動いてテント設営しているのを見ていたら惚れ直しちゃったようだわ」

そんな，ラブラブ光線が満ち溢れた，このサイトになにやら迷い込んできたようです。

ころころころ　　（（（（（○

それは，幼児が遊ぶふわふわなボールでした。
後を追いかけて，幼稚園ぐらいの男の子がサイト内にやってきました。
男の子は，何も言わずにボールに駆け寄ると，そのボールを抱えてから，ありがとうと言って出て行きました。

妻：「まあ，かわいらしい男の子」
夫：「僕たちの子どもも，あんな小さいときがあったんだよねえ」
などと，懐かしんでいます。

そこに，今度は，

ピュー　　　～～～～○　

っと，軟球が飛んできました。
目の前の通路でキャッチボールをしていた親子が，飛ばしてしまったようです。
ボールは，何かに当たることもなくサイトを横切っていきました。
その親子がボールを拾っていきました。
その後は，キャッチボールを止めたようです。さすがに，ばつが悪かったんでしょう。

夫：「野球のボールでは，下手するとテントやテーブルを壊すことにもなるから，サイト周辺でキャッチボールは考えものだね」
妻：「そうねえ。目の前でやって欲しい遊びではないわねえ。一言の挨拶もなかったし」

H氏は，そういうと夕食の用意に取り掛かったようです。
いつものように，火器を炎上させながら，なにやら作ろうとしています。
奥さんは，いつもの光景ながら，タープに火がつかないか心配しているようですね。

あら，近所で虫取りの網を持った小学生が，数人で走り回っている声が聞こえてきましたよ。
そうこうするうちに，子どもたちは，H氏のサイト内を駆け抜けていきます。
子どもの一人が，引き綱に引っかかり転んでしまいました。

夫：「あ～危ない」
子どもは，丸坊主で怖そうなH氏に声を掛けられてあわててしまったようです，そのまま走って何処かに行ってしまいました。

妻：「あの子，あわててかけて行っちゃったけど，怪我しなかったかしら？」
夫：「本当だ，引き綱は見えにくいから脚を引っ掛けやすいよねえ。それに，引き綱以外にも包丁やナイフ，火器など危険なものがあるから，サイト内を横切って欲しくないよね」

あら？今日のこの夫婦は，なんだか余裕がありますね。
そうでした，この二人は，今日はラブラブだったんです。
そのまま，喧嘩しなければ，キャンプも楽しいまま過ごすことが出来そうですよ。

ラブラブなサイトにいつまでもお邪魔しては失礼ですから，そろそろお暇しましょうか？


さて，みなさん。
区画割りがあるキャンプ場では，それぞれの区画をそれぞれのキャンパーが一時的に借りて，宿泊しますね。
その区画を使う権利は，そのキャンパーにあるはずですし，痛めないように利用し，原型復旧する責任も負っていると思います。
サイト内には，包丁や燃料を使うキッチンとリビングが接近していたり，足元に引き綱が止めてあったりして，子どもたちにとっては危険な面があります。

よその子が勝手に入り込んで怪我をされては厄介です。
何かあってからでは遅いので，自分のサイトに入ってきた子どもには，容赦なく叱りましょう。
そして，その親の逆襲にあったら，即座にその家族をキャンプ場から追い出す覚悟が必要です。

自分の子どもにキャンプ場や社会のルールやマナーを教えるのは親の責任だと思います。
せめて，キャンプを経験する中で下記のことぐらいは教えてやりましょう。
子どもに尊敬されるようになるかもしれませんよ。

・人が設営しているサイトに，みだりに入らないこと
サイト内は，利用者の自宅と同じことだと思います。リビングやベッドルーム内を他人が歩いていくなんて，信じられません。
横断したことがある人は，今後止めるように心がけて欲しいと思います。
利用者さんが入っていない場合や，管理者さんの許可がある場合は別かな。

・人の迷惑になりそうな遊びはしないこと
キャンプ場によっては，遊びについてのルールを細かく規定されているところもあると思いますが，広場やグラウンド以外の場所でボール遊びをするのは，マナー違反だと思います。
これは，禁止されていなくても止めるべきだと思います。
駐車場や場内通路，サイト，管理等周りなど，スペースはあるけど遊ぶための場所ではないところってけっこうありますよね。
幼稚園児などが遊ぶ柔らかいボールであれば，目くじらを立てて怒るようなことはないと思います。
バドミントンは，どうでしょうね。シャトルコックは風で飛ばされやすいから，子供同士で遊んでいるような場合は，隣のサイトに飛んでいくことも多いでしょうねえ。原則的に，隣接するサイトがある場合にはサイト内でするべきではないと思います。
フリスビーは，シャトルコックより硬いし重たいですから，・・・。
紙飛行機，ラジコン，自転車などもサイト内では遠慮したほうが無難ではないでしょうか？
遊びに関しては，隣接するサイトへ，物が飛んでいかない(迷惑が掛からない)範囲で考えたいものですね。
ルールがしっかり決められていない，利用者任せのキャンプ場の場合，利用者が自分の都合よく解釈すれば，拡大解釈することによって，人に与える迷惑が増えると思われます。
皆が楽しく過ごすためにも，多少の不便は，我慢しましょう。
そのかわり，シーズンオフのキャンプ場では，何をやっても誰にも文句言われないほど広いスペースを独り占めできますよ。

・迷惑が掛かったと思ったら，謝ること
しょせんは，子どもが間違って犯すミスですから，何をしても頭ごなしに怒る人は少ないと思います。
今のご時勢，モンスター何とかっていうのも怖いですから，無関心を装う人の方が多いかもしれませんね。
正直いって，我が家でも子どもがサイト内を横断する程度では，叱るようなことはしません。
僕は，2回までは我慢し，3回目に理由を添えて教えます。
なかなか，素直に謝ることはできないかもしれませんが，「ごめんなさい」って言ってくれれば，それ以上叱るようなことはしませんけどねえ。

ご自分の子どもが，よその人に迷惑をかけるということは，あなた自身が迷惑をかけているのと同じことだと思うのです。
自分の子が，人に迷惑をかけているのを見たら，一緒に謝るべきだと思います。
親が，人に頭を下げている姿って，子どもには響くという話を聞いたことがあります。
自分がいけないことをしたんだと，自覚できるそうです。

自然がスキだって人には，人や動物，植物を思いやる気持ちや，謙虚な気持ちが備わっていると思います。
ぜひ，ご自身のお子さんにも，その気持ちを伝えてあげてください。

今日の終わり方は，なんだか変だね。


僕は，経験豊富なキャンパーには，マナーが備わっていると考えています。
色々な経験を踏んで，迷惑をかけたり，掛けられたりしたことによって，自然とマナーが身についていると思うんです。
だから，初心者な僕が，偉そうに上から目線で語っちゃうのも笑われているかもしれませんが，知らないから犯しているマナー違反ということも多いと思います。
自分に被害がなければいいという発想ではなくて，キャンプをする人全体のマナーアップのためにも，注意すべきは注意し，叱るべきは叱る，謝るべきは謝る，こんな発想でいきませんか？